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第3回:労働条件の明示
工場でパート勤務するEさん。Eさんはもともとこの会社の社長の知り合いでした。ある時「ちょっと忙しいから手伝いに来てくれないかな?」と声を掛けられ、特に断る理由も無かった為週3日勤務する事になり、そのままなんとなく半年が経ってしまいました。ある時、スーパーでパート勤務をしている近所の友人と話していたところ、その友人が「契約更新時に時給が10円だけど上がったの。頑張った甲斐があったわ〜」と嬉しそうに話していました。それを聞いてEさん、“契約更新?時給も評価されれば上がるんだ。私の場合はどうなっているのだろう?いくら知り合いだからって、何も説明してくれなくて良いの?”と考え込んでしまいました。
労働契約を結ぶ際に伝えておくべき条件を、「明日から来てくれるかな」「取りあえず9時から13時までね」「時給は900円で」等、口頭で済ませてはいませんか?パートやアルバイトにも伝えていますか?伝えなければならない労働条件はご存知でしょうか?
労働基準法では、労働条件の明示を次のように定めています。
さて、厚生労働省令で定める事項とは、どの様な労働条件でしょうか。まず、明示しなければならない労働条件ですが、絶対的明示事項と相対的明示事項に分けられます。絶対的明示事項は労働契約を締結する際に必ず労働者に明示しなければならない事項です。それに対し、相対的明示事項は使用者がそれらの定めをした場合(制度がある場合)にのみ明示しなければならない事項です。
絶対的明示事項
相対的明示事項
次に厚生労働省令で定める方法とはどの様な方法でしょうか。絶対的明示事項(昇給に関する事項を除く)は必ず書面で交付しなければなりません。書面の様式は自由ですが、労働基準監督署などに雛形がありますので参考にしてください。また、書面の交付に代えて、当該労働者に適用する部分を明確にして就業規則を労働契約締結の際に交付しても構いません。
さて、Eさんですが労働契約の事、労働条件の事、いろいろと調べてみました。しかし知り合いということもあり、今更労働条件についてなんて言い出しにくいな、なんて思っています。でも、このまま務め続けるのも不満です。最近では穏便に退職する方法を考える毎日です。次に勤務する会社では、最初に労働条件の確認をしようと心に決めながら・・・。
最初に使用者と労働者がお互いに書面や就業規則で労働条件を確認しておく事で、後々のトラブルを回避することが出来ます。何事も初めが肝心ですね。 |